第4章:出たなフラグ確立魔!

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 えっ。  あっ。  ハイ?  これがこいつの正体!? 「おっおっおっ……お前ー……!」  ケージがめちゃくちゃ情けないケージ声で、わたしを見上げる。  ほーん……悪魔だけに、モルモットになっても喋れるのか。喋るモルモット、いいな。アイドルを歌わせるより、こいつに漫談でもさせた方が、コロシアムの代わりに金取れない? 「お前今結構酷い事考えてるだろ!」  おっと。A1(悪魔ワン)グランプリを考えているのが顔に出てたか。いかんいかん。 「そんな事より、教えてよ」  萌えと勢いだけで発した名前がまさか真名大当たりなんて、ラッキー棚ぼたにもほどがある、最大の破滅フラグ回避をしてしまった。  だけど、それではい良かったね、と終わらせてはいけない。 「あんた、『わたし』の事を知っているんでしょ。何でわかってんの?」 「そりゃー、お前よ、アレだよ」  ケージはぽりぽりぽり、と小さな手で頬をかきながら、遠い目をする。遠い目をするモルモット。やっぱりこれ、見世物にしたいぞ。 「オレ達は『物語に憑く悪魔』だ。世界を問わず、物語を書く人間が執筆を達成できるように、人知れず干渉するのが性分だ」  そして小さな手が、わたしを指し示す。 「ほれ、アレだ。『ネタが降ってきた』とか、『創作神のお告げがあった』とか、お前らよく言うだろ。アレはお前らがより良い物語を書けるように、オレ達がちょいと干渉した結果だよ」  えっ、ウワー……。  ケージの声で何か凄い怖い事聞いてるぞ。  つまり、「わたし」が『セイクリッディアの花輪』を書き上げたのも、こいつの干渉に無意識に突き動かされたおかげだって言うわけ? 「それが何か、話の筋がおかしくなってるから、様子を見に来たら、お前がいるじゃねーか。吃驚したわ」  いや、吃驚したわはこっちの台詞だわ。  しかし、こいつの口ぶりだと、「わたし」がアーリエルーヤに転生したのは、『物語に憑く悪魔』とやらにとっても想定外だったらしい。  今までそこまで気にしてなかったけど、そもそも、何でわたしが転生できたのかが不明なんだよね。無事にフラグ全回避できたら、そこも調べないとダメかな。  ……いや、もしかしたら。  ふっと。わたしの脳裏を、嫌な予感が横切った。
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