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アイリア編 天才の奇人ライフ
天才は、往々にして奇人である。現在、国立魔法高校にてクラス最上位の学と、全校でも五指に入る能力を持つ天才少女、アイリア・トレーツもそうである。
彼女の日常は、まずエンゼルに起こされることから始まる。
「んん……おはよ」
「全くもう!驚くほど習慣にならないのね、早起きが。私みたいに授業を切ってるでもないのに。そもそも切ることを公認されてるのにわざわざ出てるのよ?それならさっさと早起きして行く!」
この日は、1限が実技訓練。要は魔法が絡んだかなりエクストリームな体育である。魔法使いにとって一番動きやすい服装は普段着であることが多い(たまに専用衣装を作る者がいる)ので、運動着というものはこの学校では必要ない。
実技系の授業はエンゼルとアイリアが特例的に免除されている。逆に座学系、実験系はニルヴとアイリアが免除されている。アイリアは、本当なら学校に行く必要もほとんどないが、任意で通っている。
にもかかわらず、彼女は授業をサボる気満々の寝坊助っぷりを発揮するのである。
口の洗浄と、洗顔、エンゼルに借りた魔法で軽くメイクアップをして食堂へ。そしてここで、同じ1限授業に出席する学友と会うことになることが多い。ニルヴとは、このタイミングで会うことが多いようだ。
「おはよーニルヴー。髪の毛そんなんで大丈夫?いつにもましてボッサボサだけど?」
「ああ、アイリア。おはよう。髪の毛なら、帽子を被れば……ほら。割といつも通りだろ?」
「あー、いいなあ。ニルヴからしたらそう見えないと思うけどね、髪って短くてもセットするの大変なんだよー。あたしの場合、この髪飾り……着けた瞬間に絶対崩れるもん。やんなっちゃう」
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