ニルヴ編 暇人と暇人の会話

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ニルヴ編 暇人と暇人の会話

 ニルヴは、とにかく暇だった。暇すぎて校内のベンチにゴロゴロ寝転がり始める始末だった。  この日は、1限に出席、2、3、4限と免除、5限に出席という時間割。一部授業が免除されていると、こういうことになる。ランチタイム以外は暇すぎて仕方がない。この暇をいかにして埋めるかは、毎日毎日考えている。アイリアのメンタルケアをした後の退屈な時間は落差が凄まじい。  今日の退屈しのぎは、授業完全免除をアイリアとは違い、フル活用しているが、それと同時に校長の研究に付き合うためにわざわざ投稿しているエリアスとの対談をするつもりだった。  だが、肝心のエリアスが全然来ない。約束の時間からは既に10分。エリアスは待ち合わせに遅れるタイプではないので、そのパターンはニルヴの頭にない。  授業に出ないから2限の開始時間を忘れている可能性が無いわけではない。だが、ここまで来ないのかと呆れかけていたとき、電話が入る。 「あっ、もしもしエリアスさん?ちょっと遅くないですか?」 『ああ、それは僕の不手際だ。待ち合わせ場所に似ている別のスポットがあるのを忘れてた。眼の前の噴水に、天使の彫刻はあるな?』 「あ、はい、ありますよ」 『僕が指定した場所は無いんだ、その彫刻。その場所、知っているだろう?なんだか紛らわしいことをしてすまないね、すぐ来てくれ』  あの人がそんなドジを踏むのかと向かってみると、エリアスの目がいつもの鮮やかな赤色ではなく、真っ黒だ。 「なんですかその目、まさか偽物!?」 「落ち着け落ち着け。そんな訳がないだろう。僕はエリアス・チェレスタ、生徒会副会長だ。この目は……校長先生のモルモットに強制的にならされている何よりの証拠、だな」  ニルヴは気を遣って、気にしないことにした。
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