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しかし、そうなるとニルヴにはもうとても心配でならない。あの校長は裏で何をしているのか。
「怪しい薬とかって、今までも何度か?」
「ああ。この前待ち合わせをドタキャンしたことがあっただろう?」
「ああ、あれってそういうことだったんですね〜」
ここまでなら、なんとなく事情がわかる。だが、次の発言を聞いてニルヴはポカン、であった。
「本当にあれは酷かった。僕の肌に色をつける手段が存在するとは思わなかったよ、しかも暗闇で光るんだ。ゲルパーは夜寝ようとして電気を消したときに腰を抜かした。僕も腰を抜かした。そんな醜態は君には晒せない」
「……はえー」
何をされているのか、より想像がつかない。頑なに校長の誘いを断るニルヴだが、その選択は全く間違いではないということをここに確信した。
絶対に、外部の人間として関わったほうがいい。仲間としては頼もしそうだが。
「あと、1日起きられなくなるくらいには疲労感がとんでもないことになることもあった。だけど精神汚染は今回が初めてだな、闇魔法を普通の人間に流し込む実験。当然拒絶反応と侵食でアレさ。たぶんニルヴ君が除去できたのは拒絶反応で闇を既に除けていたからなんだろうな。逆に言えば、拒絶反応のやつは時間経過でしか解けない。肩がメチャクチャ痛い」
かなりグチグチネチネチと話していることからすると、どうやら精神汚染も解ききれてはいないようだ。
いや、これは精神汚染ではないのかもしれない。すなわち、ただのストレス。ただ単にイライラしているだけ。
「肩は……物理的に傷んでるんでは?筋肉痛とか、骨折とか、肉離れとか、色々考えられますよ」
「そういうのだったら自己治療をとっくにしているところだ。僕の肩が痛んでいるのは僕の内側のアレルギーに近い反応だから、自分で抑えるのは難しい」
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