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呆気にとられるニルヴの姿から、流石にテンションを上げすぎたと察したエリアスは、申し訳無さそうに引き下がる。
「ああ、そんなに萎むことないじゃないですか。愚痴りたい気持ちだって分からないわけじゃないんだし」
「いや、僕はあまり人に醜態というのは晒したくないんだよ。結構君が思うよりも徹底してるんだ、そこは。だからここは一つ落ち込んだっていいじゃないか」
「いやあ、落ち込んでるエリアスさんの方がよっぽど醜態晒してますよ?むしろ愚痴るエリアスさんはある意味いい感じでしたよ。そういうの似合いますねやっぱり」
これがむしろエリアスには厳しい言葉になる。どうしろというのだ、と悩ませてしまうのだ。晒したくない姿を褒められてもあまり嬉しくない。
「似合うってさあ……僕にどんなイメージを持ってるんだ君は。クリティカルな議論とかする真面目な人間に見えるか?いいや、僕はただの面倒くさいだけの人間さ。腕っぷしもそんなに強くない。魔法しか強くないんだよな」
「やっぱり精神汚染相当きつくかかってませんかねえ……」
やはり思考がネガティブすぎる。精神汚染がきついことを疑われてもまあ仕方のないことだ。
だが、これはおそらく違う。これはただのストレスによるネガティブ思考だ。精神汚染だったら、もっと自傷に走りそうな危ないことを言うはずである……たぶん。
「普通に僕、最近病んできてるからな……」
「じゃあちょっと僕、校長先生に話つけてきます。なんなら脅迫もする所存」
「おいおい待て。それなら僕も行く。僕達二人がかりでも戦って勝てる相手じゃないが、まあ主張くらいは強めることができるはずだし」
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