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そして、校長室のドアをドカンと大きな音を立てて開ける。
「ちょっといいですかあ校長先生!」
「はいはい、もうちょっと校長室では静かにしてくださいね。まあ誰も気にしませんけど。私の部屋だからどんな音がしても不思議じゃないって皆に思われてるみたいで──」
校長がそう言いながらもにこやかに迎えようとして、変なところで淑女なところを見せているのに対して、ニルヴは高圧的に睨みつける。しかし、これが校長には威圧には受け取られない。
身長差によりニルヴは見上げる形となり、上目遣いに見えたのである。
「あの、ニルヴ君。急に媚びを売るんですか?」
「校長先生には僕がどう見えてるって言うんですかね……それよりも。エリアスさんに何をしたんですか」
「ああ、本人から聞いていそうですけど、私からも言いますね。実験です。強い魔法使いを作る実験。それで、どんな様子か報告をお願いしたく」
いかにも楽しみという様子でいる辺り、全く悪いことをしている自覚はないらしい。ニルヴに迫られていても。痺れを早速切らしたエリアスがニルヴを飛び越し、校長を押し倒す。
抵抗されてはまずいので腕を押さえる……が、見た目以上に筋力が強い。エリアスは自分で言っていたとおり、実は割と非力なので簡単に押し返される。
「ちょっ……ニルヴ君、一緒に押さえてくれ!」
「いや何するんですか二人共!?まさか私に恨みがあって私の……」
「まーた変な方向に発想飛ばしてるんですかァ!」
そして、エリアスの拳が校長の顔に入る。満足したように校長を解放するが、エリアスは少しその感触に驚いていた。
「うーん、痛いなぁ……ちょっと容赦無さすぎませんかねえ」
「精神汚染はそんくらいの痛みは買いますよ」
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