アイリア編 天才の奇人ライフ

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 ただ、本人は丁寧に事実を伝えているだけだということは十分に分かるし、とても素直に何でも教えてくれるし、だいたいの事は知っているので、かなり頼りにはされているようだ。そのため、コミュニケーションが壊滅的なのにもかかわらず、かなり慕われていることがわかる。  もっとも、これはクラスAは極端な成績層の集まりで、皆の向上心が強いということもありそうだ。  さて、ここまでは真面目な上に天才で凄い生徒なのだが、彼女には変人ポイントが多い。それも人気の要因になっていそうだが、とにかく見ていくことにしよう。  実は、この授業の最中にアイリアは他の人、特に動いている女子を徹底的に見ないようにしている。そして、授業が終わると毎回、自らの胸を内によせるように揉むのである。そして、毎回ニルヴが止めに入るのだ。 「あのさあ。周りに人が居ないところでやってくれないか?はしたない上に止められるの僕しか居ないんだからな?」 「だって……ねえ?この歳にもなって男物水着すら着られそうなスタイルは嫌だもん……」  そう、この少女、あまりにも育たない胸を常に気にしているのである。他の女子が動いているのを見て劣等感を覚えるほどに、発育の仕方が男子なのである。  そして、寄せても寄せても、一向に盛り上がらない。かなり細身なので寄せるものがそもそも無い。  毎回、ニルヴも巻き込んで悲観して終わるのだ。  なお、毎回止めて、毎回アイリアのコンプレックスについて聞き、一緒に悲観しているニルヴは、一部生徒の間でセクハラ常習犯扱いを受けている。だが彼の名誉のために、断言しておく。  アイリアの体型と、友人としての付き合いの深さの影響もあるからなのか、ニルヴは、アイリアに対して性的な目を少しも向けていない。  ヘテロセクシャルである(決してホモではない)にもかかわらず、彼の目には不思議なことにアイリアが全く魅力的な女性に見えないのである。
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