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紗菜がメイド萌えキャラの同人漫画を本棚から抜くと棚は横にずれて
黒い鉄の扉が現れ、関係者以外立ち入り禁止と書かれた札がかけられていた。
カードキーを差し込んで鍵を開けると奥には、警備会社の管理室のような大きなモニターや機材とコンピューターなどハイテク機材が連なっていた。
「何だよこれは……」
マジで映画に出てくる秘密基地だぞ。すると画面に向かって座る一人の男子がゆっくりと俺たちに振り向いた。
「あれが、音原陸ね」
「あ、ああ。よろしくな」
陸は何も言わず再びカチャカチャとキーボードを打ち始めると、紗菜のスマホにメッセージが受信された。
「陸のプロフィールよ」
「初めまして、音原です。14歳の中学3年生です。趣味はパソコン、ゲームです。僕は人見知りが激しいですが仲良くしてください…… ってLINEじゃなく直接話せよ!」
ピコン
「また来たわ。「ごめんね」だって。あんた本当に人の気持ちが分からない「陰キャ」ね~」
確かに、黒髪のおかっぱに、うつろな眼つき。目の下にはクマまであるし。おまけにヘッドホンを常にしている奴って…… こいつこそ正真正銘キングオブ「陰キャ」だろうが!
「なんか馬鹿にされていて無性に腹が立つ……」
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