44人が本棚に入れています
本棚に追加
「仕方ねえ。俺には使命があるんだ。勉強は嫌いだが強くなれるならやるぜ」
「とりあえずこの前の低級ソムリエに負けるくらいだから、漢字練習1000文字ずつやってもらうわ。やらなかったら私と雪那さんで…… 分かっているわね」
紗菜が殺意に満ちた笑みで手をボキボキ鳴らしてきたから仕方なくトレーニングに付き合うことにした。と言うかよく見るとこれってこいつの課題じゃねえか? 名前も水島紗菜って書いてあるし…… 今にも参考書を破りたい…… どうやらこいつは課題を提出しないせいでペナルティ喰らったみたいだ。
ピコン
俺のスマホにメッセージが受信されると陸から「頑張って」とLINEが入っている……
「っていつの間に⁉」おそらく俺がトイレに行ってるときに紗菜が勝手にIDを教えやがったな。俺の我慢の限界はカンストした。腕を組みながら監視する紗菜に反論した。
「お前の宿題なんか今すぐ止めてやるぜ!」
「サボると殴るわよ! それに集中力と精神力をもっと鍛えなさい」
「と言うか…… 右頬に拳めり込んでいるんだけど……」
俺は渋々、勉強をする羽目になり終わったときには既に夜中3時で腕が痺れて手は真っ黒だ。俺はそれから約1週間、放課後、近くの公園で待ち合わせて同級生にバレないようにコソコソしながら「夢幻空間」に通い、過酷な勉強と情報収集、ソムリエ討伐の仕事をこなした。
最初のコメントを投稿しよう!