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「まあ、前よりも随分威力が向上したわね。やっぱ脳力使いのソムリエって大したものね」
「へへへ、誰かさんのサボった課題をやらされたからな」
「でも、中間テストの順位は280人中255人って…… あんた本当に馬鹿ね」
蔑むようにしてあざ笑う紗菜にぎゃふんと言わせたい…… だがそれから約3日後、遂に俺たちの運命を変える事件が発生した。
AM10時32分。東京都庁1階総合案内コーナー。この日は関東地方の知事が集まる会議の開催日ともあってフロアには待機中のマスコミ関係の人間が談笑したりスマホをいじりながら時間を潰していた。
ウィーーン
カツカツカツ
年齢は18歳~19歳位の渋谷に居そうな大学生風の男女6人がサングラスをかけながら一直線に案内所の女性に近づくと笑顔でお辞儀をされた。
「本日はどの様な御用件でしょうか?」
「俺は今、世間でお騒がせの施設の子。お前らが騒いでいる吸血の子だ!」
リーダー格らしい茶髪でハンサムショートの男が声を荒げる。すると後ろの黒髪の女性がスマホで撮影を始めた。
「あ、あの…… 失礼ですが。迷惑ユーチューバーですか? いたずらは困ります」
「黙れ。俺は今からここに居る偉そうにしている奴らを全員皆殺ししに来た」
カウンターのテーブルをドンと叩いて怒鳴ると、慌てて入り口から数人の警備員が駆け付けて取り囲んだ。
「ノブ! こいつらに例の力を見せてやれ」
ニット帽をかぶった長身で細身の男子学生が左の人差し指をカッターで切ってペットボトルに入っている水に数滴の血液を入れて混ぜた。
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