第3話 動き出した大きな闇

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紗菜は授業中にもかかわらず、堂々と教室に入り俺の首根っこを掴んで廊下に出ると何度も俺の背中にかかと落としを食らわせてきやがった! 「イテテテテテ! もう起きてるぞ!」 俺はぴくぴくと身体を痙攣させながら紗菜に引っ張られて強制的に正門に停められている軽自動車に乗せられると運転席でハンドルに足を乗せながら煙草を吸っている雪那さんが空のタバコの箱を振りながら 「やっと来たか。もう一箱タバコ吸っちまったぞ」 「寝みいーのによ。雪那さん。これは一体?」 「あんた。こんな非常事態に暢気に寝ているなんて呆れるわ。脳力者が現れたのよ。それも東京都庁を占拠して立てこもっているわ」 車のカーナビからはニュース速報が放送されていた。周りは警察車両で取り囲まれ、上空には多数のヘリが飛び交い、辺りは騒然としている。慌てた様子でリポーターの女性が中継を行っていた。 「遂に吸血の子が現れ、都知事をはじめ関東の県知事を人質に取って立てこもっている模様です。犯人の要求は最近、巷で現れた雷を操る「施設の子」を差し出すことが交換条件だそうです」 「オイオイ、何で俺がご指名なんだよ!」 「あんたって誰かに恨まれているの? 学校来ても欠席扱いされるほどちょ~影の薄い陰キャがねえ~」 「アハハハハ。ま、デートの誘いを受けたんなら行くしかねえな」 「ったく。何で俺はこう奴にモテるんだからよ……」
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