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「へへへへへ、好都合な場所だったぜ」
「残念だけど、好都合は私達の方よ」
「私達って……?」
紗菜が天井の通風孔へ勢いよくジャンプすると俺が入り口から強烈な電撃波を水たまりに流してやると目も明けられないほどの強烈な稲光が奴を包み込むと白目をむきながら俯せに倒れた。
「クソったれ……」
「水を恨むんだな。電気は水を通しやすいんだぜ」
「ハイハイ、バカの一つ覚えみたいなことはイイから早く血液を採取してこいつの脳力を覚えなさい」
ドヤ顔の俺を軽くあしらう紗菜はカバンから取り出した注射器で奴の二の腕から血液を採取して試験管に注入して俺に押し付けるようにして渡す。
「はあ~これだけは慣れないぜ。見るのも気持ちわりい」
「とっとと飲みなさい。あんた強くなってソムリエを駆逐したいんでしょ?」
紗菜は目を吊り上がらせて試験管を持つ俺の手を掴んで強引に血液を飲ませて口を塞ぐと渋々ごくりと飲むのを確認すると悪意の笑みを浮かべた。
「うえ~口の中が鉄くせえ……」
「とりあえず試しにバケツの水でやってみて」
俺が左手のひとさし指を爪で傷つけて血液を1滴垂らすとまるでヨーヨーを操るようにバケツの形をした水を上下させられた。とりあえず脳内から発したテレパシーで自在に形を変えて操れるみたいだ。
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