第3話 動き出した大きな闇

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「そこに置いておいてくれ」 「かしこまりました。それと総理。記者会見が午後2時に行われますのでよろしくお願いいたします」 秘書は机に資料を置くと軽くお辞儀をして部屋を後にした。佐藤は深く椅子にもたれるように座ると資料をパラパラと確認して壁に固定されている大画面の電源を付けると暗い部屋に円形のテーブルに座る謎の集団に立ち上がって一礼をした。だがそいつらは黒い影のようにしか映らなかった 「遂に例の脳力者が現れたそうです」 「遂に現れたか…… 人型ソムリエでありながら吸収型の脳力者。餌を巻いて正解だった」 「奴は我がソムリエ研究にとって重要なサンプルだ」 「まさか生きていたとはな…… 」 すると中央奥に座る野太い声の男が両手を組みながら 「ではこれから緊急閣議を行う。只今より如何なる犠牲を生じても重要サンプル1448の捕獲と協力者の抹殺を重要事項とする。」 「かしこまりました。マスコミ対応は私にお任せください」 「ではこれにて我が影の内閣(シャドウキャビネット)においてこの事案は国家権力を駆使して遂行することを閣議決定する!」 新たなる脳力を得た事で浮かれていた俺たちを危険な魔の手が忍び寄ろうとしていたなんて知る由もなかった。
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