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スマホ女にロープを引っ張られ展望室の反対へと歩かされると紗菜の表情が少し曇りだした
「血の臭い…… まさか」
紗菜は顔をしかめて右腕で鼻を抑えた。そこには、床に染み付いた血痕とミイラのように干からびた遺体の数々…… そして
「ソムリエ!」
闇に光る真っ赤な目を光らせながら血を吸っていた。恐らく遺体は人質だという事は容易に分かった。
「さっきの答えだよ」
耳元で囁くスマホ女にビクッと身体を震わせ直ぐに後方へ距離を取ると縛られたロープを直ぐにほどいた。
「何で施設の子達がソムリエと一緒なのよ!」
すると先ほどのスマホ女が見る見るうちにソムリエへと姿を変え、赤く光る眼を見開き、そして虎のような鋭い牙をむき出しにする黒キツネザルへとなり、くぐもった声で
「私達はある者から命を受け、貴様を殺すために来た! 人質など初めから殺す計画だ」
「あらそう…… 私達絶対に友達になれないわね。あんたみたいに根性が悪い女ってマジで大嫌いなんだよ!」
紗菜は眉と目を吊り上げて左手を軽く切ると鮮血が滴りだした。
「おいでハク。 脳力発動!」
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