第4話 罠には罠

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傷口からバレーボール大の血液の塊が飛び出し宙を舞いながらハクの容へと変わっていった。 ワオオオオン! 紗菜は手のひらの血液をハクになめさせると優しく微笑みながら頭を撫でる 「いい? アイツらを喰らいつくしなさい!」 黒キツネザルと白のキツネザル3匹が鋭い牙から唾液を垂らしながら笑みを浮かべた。 「私は絶対に負けないわ。行けえええ!」 紗菜の合図でハクが獲物を狙うハイエナのように勢いよくソムリエ達に向かっていった。 「最近私も、罰の追加課題で英単語の書き取り1万回をやらされたおかげでハクの能力値も上がっているんだからね」 壁を這って四方からハクに対して襲い掛かり胴体にかぶりつくが長い体毛をハリネズミのように逆立たせると喰らいついたソムリエの牙を粉砕させそのまま後ろ足で蹴り上げて壁に叩きつけた。 「ふふふ、こんな下級ソムリエ、相手じゃないわね。ハク、アイツらの心臓を食らいつきなさい」 ワオオオオン! 口から真っ赤な鮮血を滴らせながらのた打ち回る3匹の白いソムリエの心臓を次々と食らいつき、灰と化して消えていった。 だが1匹残った黒のソムリエが目を血走らせながら怒りをあらわにした。 「お、おのれ…… 苦楽を共にしてきた私の親友をよくも殺しやがって! 」
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