第4話 罠には罠

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ゴキゴキゴキッ! 「な、そ、そんな……」 怒りと憎悪の感情で強くなるソムリエは、見る見るうちに体が大きくなり体長3メートルほどにまで成長をしていった。 「私からすべてを奪うな! 父親と一緒だ。ギャンブル代欲しさに母と妹を殺した。この力のお陰であのクズ男を八つ裂きにできた。今度はお前の血を吸ってマイスターになってやる」 「哀れで弱い人ね。復讐の為に化け物になるなんて…… 私だって親から虐待を受けて大切な弟を殺されても化け物の力を欲しようと思わなかったわ!」 「ギャハハハハハ、どっちが弱いか直ぐに分かる!」 「ハク! アイツをやっつけて!」 地響きを立てながら勢いよく向かってくるソムリエにハクは前足の鋭い爪と使いハヤブサの如く身体を切りつけるが…… 「こんなかすり傷、効かないぞ!」 「流石に倍の大きさの奴じゃ厳しいわね」 ハクが付けた傷が直ぐに回復をしてしまい、致命傷を与えられなかった。すると、ソムリエがクマの前足のように太く鋭い爪で何度も強烈な攻撃を喰らうと、白い体毛が鮮血で赤く染まり、瀕死でよろめくハクを蹴り上げると後方の紗菜にぶつかり壁に打ち付けられ大怪我を覆ってしまう。
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