第4話 罠には罠

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「う、うう…… なんて力…… この前の奴よりもはるかに強い……」 「化け物?…… 誰も助けてくれず、蔑む奴らしかいない私には力が必要だったんだ! 貴様に何が分かる! 生き抜くには力が欲しいんだ!」 「何もできない弱虫…… 言い訳して逃げるあなたみたいのが一番嫌いなんだよ」 「負け惜しみめ。良い事を教えてやろう。私は、一人の脳力者の血を吸っているんだ。我々ソムリエは、人間の血を吸うことで進化する。だがそのためには大量の血液が必要だが強い、脳力者の血液を吸えば1000人分にもなる」 「化け物……」 「そして、ソムリエは人間の進化のように霊長類の姿からヒトに近づくにつれてランクがアップされて究極の力の持ち主「マイスター」へと進化を遂げるんだ。 お前たち脳力者は社会から不必要とされたゴミであり我々にとってただの餌だ。そしてこれからは私の身体の一部となり役に立つんだな」 俯せに倒れて頭から血を流す紗菜の首を掴みつるし上げると勝ち誇った笑みを浮かべて大きな口を開くと 「ガルルルル!」 「ハク!」 先ほどまでピクリとも動かず気絶していたハクが腕をかみちぎって紗菜を助けると庇うようおぼつかない足で紗菜を庇うように牙をむき出しにして立ちはだかる。 「貴様から八つ裂きにしてやる!」 ソムリエは腕を再生させると怒りの形相で向かってきた。ハクも何度も鋭い牙で嚙みつくが致命傷を与えられず何度も床に叩きつけられ、大量の出血をしながらも何度も紗菜を庇う。 「ハク止めて。これ以上やったら戦闘不能になって二度と復活できなくなってしまう」 紗菜が抱きしめて説得するが諦めずにソムリエに噛みついては叩きつけられ、動くととも出来ず虫の息だった。ソムリエは悪意に満ちた笑みで拳を振りかざそうとしていた。
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