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灰となって消え去るソムリエを少し寂しい表情で見つめる紗菜…… 急いで、瀕死のハクの元へ向かい抱きかかえると床には大量の鮮血が広がっており、紗菜の両腕も赤く染まった
「ハク…… 良かった。まだ生きているわ。 脳力解除」
ハクを元に戻したことで時間をおけば傷も復活して再び戦闘をする事が出来るという。
だが紗菜もかなりの深手を負っていたためその場で仰向けになって倒れていると……
カツカツカツ
「私も誰かの手のひらで踊らされていたのかな……?」
ニヤリと広角を上げる紗菜は余裕の笑みなのか? もしくは迫りくる人物にせいで観念したからなのか……
そんな事も知らず俺はリーダーの男と一緒になって北の展望室へ到着した俺の目の前にはダイヤをちりばめたような夜景が広がっていた。
「流石東京だぜ」
「まあ、この夜景が近いうち消滅するんだけどな……」
リーダーは窓ガラスに左手を当ててぽつりと呟やく声にはどこか氷のように冷たくとがった感情が伺えた。
「なあ、ノブ…… 俺たち施設で苦楽を共にしてきたじゃねえか? もしこの国が滅んでも俺たちは兄弟のような関係でいられるかな?」
「当たり前だろう? 俺たちは仲間だ!」《古い友情ごっこには付き合えきれねえぜ》
「そっか…… じゃあ何でサヤカの名前を間違えるんだ?」
「え?」
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