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「颯斗先輩って話も面白いんですね。凄く素敵です」
「俺の事を分かってくれるなんて流石だぜ」
「ごめんなさいチョットトイレに行ってきますね」
俺は部屋を出る彩葉ちゃんに笑顔で手を振りながらクッションをギュッと抱きながらキスをする仕草をして妄想にふけっていた。だがこの時、彩葉ちゃんはトイレではなく店の外に出てスマホでとある人物に電話をしていた。
「遂にターゲットのサンプル1448を見つけたわよ。って言うかあんなチェリー君が本当にマジですごい奴なの?」
「ふふふ、奴は未完成のサンプル。ボク達の手にかかれば容易いご用さ」
「わざわざ用意したソムリエに襲われる演技までしたんだからね。それよりも約束はしっかり果たしてもらうわよ」
「大丈夫さ。君の妹は無事だよ。SNSの現在地標示を頼りにボクも後で向かうよ。手順は何時ものように頼むよ」
「解ったわ。楽しいパーティーを始められるように温めておいてあげるわ」
彩葉ちゃんはニヤリと笑みを浮かべながら電話を切った。だがこの時俺達は迫る危機も知らずに暢気に過ごしていた。
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