44人が本棚に入れています
本棚に追加
「ふふふふ、さ~ってとトマトジュースを飲んでパワーチャージもしたし。そろそろ夜遊びな火遊びを始めちゃうからね」
彩葉ちゃんは飲んだトマトジュースの空き缶を近くのごみ箱に投げ捨てるとニヤリと笑みを浮かべてカラーコンタクトを外すと、ソムリエ特有の瞳を赤く輝かせながら俺が待つ部屋の前に立つと左の人差し指を安全ピンで刺して絞り出した赤い鮮血を指でこすった。
「さてと特大の花火を打ち上げてあげるわ」
血の付いた人差し指と親指を擦ってパチンと指を鳴らすと瞬く間に店内は炎に包まれて大爆発を起こした。
ドッカーーーン!
幸い客も人の往来が無かったため被害者は出なかった。だけど店はメチャクチャだ。黒煙を上げながら崩れ落ちるビルを腹を抱えながら笑っていた。
「キャハハハハ 超簡単じゃん。さ~てと早いところチェリー君を見つけて任務完了」
煙が立ち込める残骸から俺達を見つけるがどこにも居ないことが分かると彩葉ちゃんはガレキを蹴り上げながら大声で叫んだ
「マジでムカつく…… 逃げられたわ! あとチョットだったのに」
俺と陸は間一髪、地下室から地下鉄丸ノ内線が走る線路を走りながら最寄り駅まで向かって地上に脱出していた。
「マジ助かったぜ。陸のお陰だ」
「う、うん。あの子がずっとぼそぼそと外で誰かと電話をしているのが聞こえたからさ」
最初のコメントを投稿しよう!