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小学校を卒業した私は私立の中学に通うことになった。
小学校の友達と離れるのは嫌だったけど、地元の中学校の評判が悪すぎて親が私立の中学を進めた。
あのとき地元の中学を選んでいたら、未来は違っていたかもしれない。
中学に入っても私は変わらず"優等生"を演じた。
演じるというよりは、もう自分を出せなくなっていた。
中学の授業の一貫で将来の夢を考える時間があり、私は病理医になりたいと言った。
当時テレビドラマで病理医を題材にしたドラマがあっていて、親が"かっこいいね"と言っていたから。
病理医になりたいと言えば親が喜ぶと思った。
数学や理科が好きだったし、病理医という職業にも興味はあった。
でも本当は、学校の先生とかに憧れる自分がいた。
友達に数学を教えるのが楽しかった。
私の解説で友達が理解してくれた時の喜びは忘れられない。
当時担任だった数学教師が、
「数学の先生になってこの学校に戻ってきてくれたら嬉しい」
と言ってくれた時は本当に嬉しくて、気持ちはそっちに向き始めていた。
そんなときだった。
おじいちゃんの癌が発覚。
おじいちゃんの余命は1年と宣告された。
これがきっかけで、病理医への道を本格的に考え出した。
高校受験は県でトップを争う県立高校の理数科に合格したが、おじいちゃんに高校の制服姿を見せることは出来なかった。
癌という病気を憎んだ。
おじいちゃんが大好きだった。
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