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「お前、男見る目ないだろ?あぁいう真面目な人はいいと思うぞ」
「何言ってんの。先生と生徒だよ?」
先生の言っている意味がわからなくなってくる。
でも、先生はフザけた様子はなく隣に座ってじっとこっちを見た。
「今はな。でも、すぐ卒業だろ?」
「ちょっ……」
「最近、よく話してるんだろう?社会はさ。大野先生に見てもらわないか?」
「はぁ?」
信じられない提案に声が裏返る。
「それ以外の科目は俺が見るし……今度、頼んでみるから、な?」
な?じゃない。え?受け入れられたらこれから一緒に勉強するの?…無理!!
声が出てこなくてフルフルと首を横に振っても先生は笑っている。
「大野先生と一緒になってくれたら俺も安心だ」
待って!おかしいから!
……最近よくこの部屋に先生が居ないのは……わざとなの!?
「よし!じゃあ、今日は英語な!」
気合を入れてペンを持つ先生。
だが、私はそれどころじゃない。頭の中は軽くパニックで、何を言われてもほとんど耳に入って来なかった。
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