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2人で
「あり得ない」
「何がですか?」
あなたは教科書をめくって開いてから私の方に寄せる。
「何で断らなかったの?」
ムッとしたまま頬杖をつくと、あなたは不思議そうな顔をしてペンを取り出した。
「勉強見てやってくれと言われてどうして断ります?それに政治の授業しているのは僕ですし」
「これ現社だもん!」
「一緒ですよ」
「違うから科目分かれてんじゃないの?」
「ははっ、やりますよ?」
本当に勉強を始めるあなた。
説明なんて入って来なくて頭を抱える。
「どうしました?」
「これから本当にやるの?」
ノートをつつきながらため息を吐くと、あなたはペンを置いてこっちを見た。
「せっかく一緒にやれるならやりませんか?受験までもうそんな日にちもないですし」
「受かったらご褒美くれる?」
「……そうですね。考えておきますよ」
断ってくるか、バカにされると思っていた。
考えるなんてまさかの展開に言葉が出ない。
「では、勉強したいところはありますか?」
「……この開いてるのは何?」
「じゃあ、ここにしましょう」
にこにこと笑うあなたを見て調子が狂う。
ご機嫌なの?仕事押し付けられてるのに?
……何で?
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