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2H2O
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飾り気の乏しい制服のスカートは、膝下10cm以上。
髪の毛は肩にかからない長さか、それ以上の長さであれば縛ること。
ブラウスは白。靴下は白または黒(冬季のみタイツの着用可)
通学には学校指定の、黒い革製のカバンだけが許されていて、キーホルダーなんかの装飾品全般はNG。
礼儀作法にもとにかく厳しいその学園は、地元ではお嬢様学校として、そこそこ有名。
その学園への入学は、母のたっての希望だった。
私が中学生になった辺りから、母はしきりにその学園の話を持ち出すようになった。
そこに通う女生徒たちが、いかに瀟洒であるか。シンプルなデザインの制服は、どんなに洗練されているか。そしてそれを身に纏った彼女達の佇まいが、どれ程気品に満ち溢れているか…
折に触れて捲し立てる母の表情は憧憬にとろけきっていて、それらが本人の少女時代に叶わなかった幻想の成れの果てであることになど、気付きようのない様子だった。
当の私はと言うと、通学するのに手頃な立地である上、ネームバリューと比較してそう高くもない偏差値のその進学先は、労せずに、かつ親の理解も得られる手頃な進路だった。
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