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男相手にプロポーズまがいな事を言っておいて堂々としている。更に可愛いとかほざいてる人間に勝てるビジョンが浮かばない。ヤンキーなんて女の子にモテるだろうに勿体ない。ひょっとして俺が真田をホモにしたのか?
そのまま抱きすくめられた俺は、なす術なく告白の余韻を噛み締めることしかできなかった。
「なあさ、梓って呼んでもいいか?」
名前を呼ばれただけなのに、この心の高まりはなんだと言うのか。心境を悟られないように、好きにしろと吐き捨てるように溢した。それでも嬉しそうなんだ、こっちだって調子が狂うと言うものだ。
そうだ、これは可笑しくなってもしょうがない状況なんだ。だから、これから俺が変な事を言っても、何も恥ずかしい事はない。
「俺も、……仁って呼んでもいいか?」
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