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チートじゃん
「先ずは1番近いそこの大きいの、魔法陣の上に立て」
「……ウッス」
あまりのことに真田も大人しく言うことを聞いて、魔法陣の中央に立った。
「よし。他の者は魔法陣を踏まないように、精度が落ちてしまうのでな」
ベルトルトさんが再び天高く杖を上げた。魔法陣が光り輝いて、中にいる真田見えなくなる。大丈夫だろうか、たとへ不良でも怪我をしたり死んでしまったりしたら悲しい物だ。でも僕達の心配とは裏腹に、光が収まる頃には普通に真田の影が見えた。
でもなんだか着ている服がおかしい、いや元々制服の原型も無いくらいには着崩されていたけれど、今着ているのはもう全てにおいて制服ではなかった。制服など知らぬと言わんばかりの黒を基調とした侍の様な和風な装いに、しかも刀を携えている。これじゃあ本当に侍みたいだ。
「成る程、お前の職業はサムライじゃな。この地方では珍しいのう」
「サムライ?」
ベルトルトさん曰く、サムライはここより遠く離れた地方でよく見かける職業のようで、カウンター戦法を得意としているらしい。待ちの技が多いらしい。
「あと、お前達は勇者じゃから、個人の力もこの世界に住む者の10倍近い力を秘めているぞ。試しに、この魔物を倒してみよ」
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