6.特別な日

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リビングに戻ると、大貴さんが「あれ?」と言って首を傾げる。 「もしかしてサイズ合わなかった? 直すことも出来るよ?」 さっきまで着ていた部屋着で俺が戻ってきたため、そう思わせてしまったのだろう。 「いえ! サイズも完璧でしたし、凄く気に入りました! でも、せっかくだから週末のディナーの時に初めて見せようかな、なんて」 凄く気に入ったからこそ、すぐに見せるのではなくちょっともったいぶってみたくなった。 「スーツと鞄、本当に嬉しかったです! ありがとうございます!」 そう伝えると大貴さんも「それなら俺も良かった」と言って優しく微笑んでくれた。 そんな会話をしていると、お風呂が沸いた音が聞こえてくる。 「あ、お風呂入れますね。お先にどうぞ」 そう伝えると、大貴さんは俺の顔をじっと見つめながらーー。 「……一緒に入らない?」
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