6.特別な日

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ーー… 「わあ、美味しいね。この料理」 にこにこと笑いながら、俺が作った料理を美味しそうに食べてくれる大貴さん。 ……急用や残業で予定変更のパターンではなかった。それどころか、ワインや花束を買っていつもより早く帰ってきてくれた。 ……やること全部かっこいいんですけど。 「それにしても、せっかく遼介君の誕生日なのにいつも通り食事作ってもらってしまってごめんね」 スープを口にしながら、申しわけなさそうな表情で大貴さんがそう言った。 「いえ。確かに誕生日ですけど、何と言ってもクリスマスですから。俺もクリスマスらしい雰囲気の食事を作ってみたかったですし」 クリスマスっぽい彩りを意識した、サーモンとトマトのジュレ。コーンスープと、特製ソースをかけたローストチキン。 デザートは、大貴さんが帰りがけにバースデーケーキを買ってきてくれるとのことだったので、小さいサイズのゼリーだけ簡単に作った。 大貴さんの口に合えばいいな、と願っていると……大貴さんがにこにこしながら俺のことを見つめていることに気づく。 「大貴さん、どうしました?」 「こんなに料理上手な素敵な奥さんと結婚出来て、本当に良かったなって改めて思ってた」 ……はう。 ああ、ヤバい。今からこんなにドキドキさせられていて、今夜、初エッチなんて出来るのか⁉︎
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