6.特別な日

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「そう言ってもらえて俺も嬉しいよ」 「早速、着てみてもいいですか?」 「もちろん」 「じゃあ部屋で着てきます!」 大貴さんにいただいたプレゼントを両腕でしっかり抱き締め、俺は自分の部屋に向かった。 部屋に入ってから、プレゼントの入った箱を慎重に開ける。 「わあ……!」 中に入っていたのは、ブライトネイビーの高級そうなスーツ。 色もシルエットも俺好み。生地には光沢があり、肌触りも抜群。 そっと身に纏うと、着心地も最高だ。 上質なスーツだからかな、背筋も自然に伸びる。 スーツと一緒にいただいた鞄も、スーツと合わせたデザインになっており、かっこいい。 本革素材で、シンプルさが大人っぽくて素敵だ。 今度、月森家や桜羽家関係のパーティーがあった時に身につけていきたいな、なんて心躍らせたのと同時に、ふと気づいた。 箱に書いてあるブランド名……。世界的に凄く有名なファッションブランドだ。 恐らく……スーツと鞄と合わせると、軽く百万円超えるよな⁉︎ 大貴さん、さすが……。 いや、俺も一応御曹司の類ではあるのだが、所詮まだ大学生だし、バイト代しか稼いでいない身なので、つい驚いてしまった。 俺も大貴さんにクリスマスプレゼントの用意はしたけれど……バイト代から奮発した程度のプレゼントを喜んでもらえるか、不安になってきてしまった。
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