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「二十一時か……」
自宅マンションの玄関先で、スマホの画面に表示された時刻を確認した。
健太達との話が盛り上がって、思っていたより帰宅が遅くなってしまった。
玄関の鍵を開けて家の中に入ると、ちょうど桜羽さんが脱衣所から出てきて、目が合う。
「あ。遼介君、お帰り」
少し低めの落ち着いた大人の声で名前を呼ばれ、思わず背筋がピンと伸びる。
「た、ただいま帰りました」
風呂上がりらしき様子の彼は、髪が少し濡れている。
いつ見ても、肩幅が広くて筋肉質な男らしい体付き。
その体格のせいか元々色っぽい印象のある彼は、風呂上がりでその魅力が更に増しているように思えた。
部屋着のTシャツとスウェットですら、かっこ良く着こなしているように見える。
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