体育祭

24/25
前へ
/72ページ
次へ
咲紀ちゃん。 咲紀ちゃんが幼稚園の頃お母さんが亡くなって、咲紀ちゃんとおじさんの生活が変わったよね。 そんな時、僕のお母さんが咲紀ちゃんとおじさんのことを心配して、お母さんがお弁当作りをしていたよね。 僕ね、お母さんが台所に立って料理しているのを見て、いつか僕も作りたいって思うようになったんだ。 そして、ちょっとずつ料理を覚えていって。 初めて卵焼きを作った時に、卵焼きが不恰好で上手く作れなくて泣いちゃったんだよね。 そんな時、咲紀ちゃんが僕の作った卵焼きを食べたいと言って食べてくれて。 笑顔で美味しいって言ってくれたよね。 咲紀ちゃんの笑顔を見て、ときめいた。 咲紀ちゃんのこと、好きになったんだ。 小さいながらにこの子の笑顔を守りたいって思ったんだ。 毎日、少しずつだけど、お弁当作りを初めて、ちゃんと作れるようになったのは小学3年生の時だだたよね。 ちゃんとお弁当を作れるようになった時、美味しいから毎日食べたいよって言ってくれたよね。 結婚してくれたらずっと作ってあげるよって、だから結婚しようって言ったよね。 その言葉に嘘偽りはなかったよ。 咲紀ちゃんはきっと子どもの約束だと思ったかもしれないけど、僕は本気だったよ。 咲紀ちゃんがいいよって言ってくれた時は、めちゃくちゃ嬉しかった。 作文にまで書いたぐらい本気だった。 でも僕は、付き合おうって言わなかった。 伝わってると思ってたんだ。 言葉にしなきゃ伝わらないのにね。 借り物競争の時、お題が好きな子で、チャンスだと思った。 僕の気持ち、伝えられるかもしれないって。 改めて言わせて欲しい。 咲紀ちゃん。 大好きだよ。 僕の彼女になってください。 いつか僕の妻になってください。 貴女の傍にいさせてください。 貴女の傍が僕の輝ける場所だから。 お願いします。 どうか。 僕と未来を歩んでください。 僕を選んでください。 咲紀ちゃん。 愛してるよ。
/72ページ

最初のコメントを投稿しよう!

15人が本棚に入れています
本棚に追加