エピローグ

2/3
前へ
/72ページ
次へ
そしていつもの日常を過ごしていく。 相変わらずな毎日を送っている。 瞬の悪戯な行動にきゅんとして、ドキドキして。 玄関のチャイムが鳴る。ドタドタと家の中を走る。 「家の中を走らないといつも言ってるだろう。」 そんな紀明の言葉を聞きながら、インターフォンに出る。 「はーい。どちら様ですか?」 誰だか分かっているのに聞いてしまうことを変えられない。 「広瀬瞬です。お弁当持って来ました。」 そう言ってお弁当袋を持ち上げる瞬も変わらない。 玄関のドアを開けて、瞬を迎え入れる。 「今日のお弁当。」 そう言って咲紀の手に乗せることも変わらない。 「咲紀ちゃん。今日の髪型、可愛いね。似合ってる。」 そう言って咲紀の髪をするりと指を通すことも変わらない。 「おじさんと話してくる。」 そう言って家の中に入ることも変わらない。 咲紀が部屋に戻り、スクールバッグに教科書とお弁当袋を入れ、リビングに行くと、瞬が紀明と楽しそうに話していることも変わらない。 「咲紀ちゃん。行こ。」 そう言って手を繋いでいく。 2人の関係性は変わらない。 でも変わったことは確かにある。 それは。
/72ページ

最初のコメントを投稿しよう!

15人が本棚に入れています
本棚に追加