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「そりゃ、せっかくの休みに友達と会いに出かけるって言ったら、大抵の旦那は機嫌悪くなるんじゃない。ごめんね。急に誘って」
「全然。家に居たって、一緒にテレビ見るわけでもないし、出かけるわけでもないんだから、関係ないと思うんだけど」
「史香の旦那さん、昔から独特だったからね。見た目は悪くないのに、史香以外誰も近寄らないし、彼も史香以外に懐かないし」
「ちょっと待って。あたしも別に近寄ってない。向こうが一方的に」
沙紀は大学時代からの友人で、2学年下だった旦那のことも知っている。
闘病中だったお母さんが亡くなったと聞いて心配だったけど、話してる様子は普段と変わらない。
とはいえ、誰かと会って話したいって言葉の裏にある気持ちは察して余りあるから、くだらない夫婦げんかでも、聞けば少しは気が紛れるかと思った。
「うちは、あの人はあの人で好きなことやってるし、いつもはあたしが何しようと、料理や掃除に文句はつけてもあたしの行動に文句は言わないんだけど」
「構って欲しい時くらいあるんじゃない?年下だし」
「下ったって、二つしか変わらないじゃない。甘えるなら甘えるで、もう少し分かりやすい可愛げある態度を」
「そりゃー、作家先生だから」
「売れてないけどね」
「でも本屋さんでこの前新刊見たよ」
「まじで?」
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