復讐の結末

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桜子は、ホテルの部屋のベッドに仰向けになっていた。 (何が始まりで、何が原因だったんだろう) 目を閉じる桜子。 スマホが鳴った。 「もしもし?神山?大丈夫か?」 大田原だった。 「あ、先輩、お疲れ様です」 「お前、元気ないのか?しっかりしろよ!俺なんかもっと大変でげんきないんだぞ!」 「え?あ、はい」 「先に帰ったお客様への説明会、返金、諸々の対応でヘトヘトだよ」 「そうですか、それはお疲れ様です」 「おい、お前、ほんとに大丈夫か?無理もないか、あれから復讐の連鎖が続いたんだもんな、そっちの事は任せたぞ、会社からは入院しているお客様達がこっちの病院に転院するまではお前はそっちにいるお達しがきてるから、頑張れよ」 「わかりました、頑張ります」 ため息をつき、桜子は返事をした。 そして最後に告げた。 「先輩、私、もうポニーテール結ぶの辞めます、中途半端な推理しても今回のように復讐の連鎖を止めることが出来なかったし、自己満足でしかないのかもしれないし」 声をつまらせていた。 「バカヤロー!」 桜子は思わずスマホを耳から離した。 大田原のいつもの大声だった。 「何言ってんだ!お前、ハワイの時だって人は亡くなったけど、お前なりの推理で頑張ってただろ?今回は複雑すぎただけなんだよ、しっかりしろよ!ポニーテール結ぶ時が来たら、また結べ、なっ!」 桜子はスマホを持ったまま、頷きながら泣いていた。 「じゃ!俺は仕事に戻るからな、お前らしくいろよ!しっかりしろ!」 桜子は、大田原の言葉に初めてドキッとした。 すぐに、何かを振り払うかのように首を横に振った。 「先輩、色々ありがとうございますっ」 スマホを閉じて、ウトウトし始めた。 夢の中にエルキュールポアロが出現し、桜子に言った。 「私の最後の事件を知っているかね?全ての事件が繋がり、全てが終わったあの事件だよ。【心理的殺人教唆】犯人のノートンの巧みな心理操作で全ての殺人が起きたんだ。復讐の連鎖と言ってるが、もしかしたら真犯人がいたりするのかもしれないよ。ポニーテールを結ばないなんて言わないで、この私「エルキュールポアロ」の弟子としてこれからも頑張っておくれ。」 桜子は、ハッ!と目が覚めた。 「弟子って言った!ポアロ様が私のこと弟子って言った!やった!やったぁー!」 ベッドの上で万歳しながら飛び上がる桜子。 その後すぐに、ポニーテールをしっかり結んだ。 (【心理的殺人教唆】かぁ、この事件には関係ないかもしれないけど、調べてみる価値はありそうだわ) 桜子は、すぐに病院へ向かった。
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