プロローグ

1/1
2人が本棚に入れています
本棚に追加
/56ページ

プロローグ

 ようこそ。  そう、キミだよ。キミ。  そこで自分を指さしているキミ。そう、キミだ。  キョロキョロして、そんなに不思議そうな顔をしないでくれよ。  驚くことはない。怖がる必要もない。  ん? まわりにたくさんの人がいるのに、なんでキミに声をかけたのかって?  ワシにはわかるんだよ。長いこと、ここで色んな人を見てきたからな。  老若男女……そして、その喜怒哀楽……  本当にたくさんの人、たくさんの顔を見てきたんだ。  楽しいことが大好きな、キミみたいな人間がくるのをワシは待っていたんだよ。  ワクワクしたいんだろう?  ドキドキしたいんだろう?  ハラハラしたいんだろう?  そんなキミに朗報だ。ワシの仲間の探偵が、調査の協力者を探しているんだ。 『鈴木2号ジュニア』って名の探偵なんだがな。  どうかな? しばらくジュニアと一緒に行動してみては?  ん? どんなヤツかって?  まあ、それは追々、ほかの仲間たちに聞いてみるといい。  おっと、失礼。自己紹介がまだだったな。  ワシの名はベニー。  ここでは「長老」とも呼ばれている。仲間の中では一番年上ってだけだがな。  何歳かって? 少なくともキミの親よりも年上ではあるな。  ん? オジイチャン? オイオイ……失敬だな! 失敬だぞ?  まあ、ワシの話はこれくらいにしておいて。  そうそう、もっともっと楽しみたいのなら、自分だけの調査報告書なんかを作ってみるのも手だぞ?  ジュニアと一緒なら、きっとステキな調査報告書ができあがること、間違いなしだ。  ささっ、すぐにでも行ってくるといい。  時は待ってはくれないからな?  気をつけてな。  走って転んだりするんじゃないぞ。
/56ページ

最初のコメントを投稿しよう!