始動

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そのまま暫くして車は止まる 黒髪の男は車から降りると後部座席のドアを開け女に出るように言う 女は従おうとするが倒れかかってきている男が重くて動けなかった 「何してんの?ああ、コイツが邪魔なのか」 黒髪の男が「ちょっと来て」と叫ぶとゾロゾロと男達が姿を現し、黒髪の男と話終えると女にもたれ掛かる男の足を掴んで車から引きずり下ろした。 男は顔や体をぶつけながら地面へと叩きつけられ、足を掴まれたまま連れて行かれた。 「はい、降りて」 黒髪の男は車の中を覗き込み女に声を掛ける 女がゆっくりと車から降りると黒髪の男は車の前に立ち笑顔で此方を見る白髪の男を指差し「じゃあ懍について行って」と告げ、そのまま男が連れて行かれた方へと歩いていった。 女は恐る恐る白髪の男に近寄ると、白髪の男は女の手を優しく掴み「疲れたでしょう?ゆっくりしなよ。すぐに帰すからさ」とボロボロの建物の中へと向かう 女は抵抗をすること無くついて歩いた。 白髪の男、懍はニタリと笑い建物二階にある部屋の扉へと手を伸ばした
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