始動

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「お、お前が人の顔に煙をっ」 男が話している途中でまた頬に衝撃が走った 「誰に向かってお前って言ってんだ?立場を弁えろよ」 眉間に皺を寄せ睨み付けるその目は冷徹で男は言葉を発する事が出来なくなった。 「謝ることも出来ない、自分の立場を弁える事も出来ない、片付けもしない。ははっ、本当に金しか取り柄がない。おっさんの良い所一つくらい見せてくれよ」 輝血は立ち上がり吸い殻が溢れかえる灰皿に煙草を投げ込むと指の骨をパキパキと鳴らす 「ほら、謝って片付けて?早くしてくれないと俺が遊ぶ時間が無くなっちゃう」 振り返り自分を見つめる目に怯えながら男は小さな声で「悪かった」と言った
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