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「うっわくっさ!」
部屋に入るなり懍は顔を歪め鼻を摘む
部屋の真ん中には地面を舐め回る男がいてそれを囲む男達が笑っている。
男は嘔吐物や尿に塗れながら必死で舌を動かしていた。
懍はそんな男を見てさらに顔を歪めた。
「かーくん悪趣味過ぎない?」
扉の横で煙草を吸いながら男を見つめる輝血に声を掛けると、輝血は笑う
「懍に言われたくないよ」
輝血は煙を吐くと灰皿へ煙草を押し付ける
「で、どうする?」
輝血は懍の方を向く。先程笑っていたとは思えない程冷徹な目をした輝血を見て懍は嬉しそうな顔をする
「お父さんにも報告が行ってるはず。お父さんからの連絡を待つのがいいと思う。あと、場所変えない?ここ臭くて嫌だ」
懍は扉を開け輝血を呼ぶ
「早くー!俺達まで臭くなっちゃう」
輝血は男達に「コイツはもういいや、お前たちの好きにしな」と言うと、顔を上げた男に手を振る
「タイミングが悪かったね。じゃあなおっさん。」
輝血が部屋から出、扉が閉まる瞬間男達の笑い声と男の悲鳴が聞こえた。
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