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「お疲れ様でーす」
暗闇を抜けチカチカと灯る街灯の下にいる男集団に声を掛ける。
男達はヘラヘラと笑いながら二人を見る。
二人は男達の間を抜け先に居る二人の男の前で頭を下げた。
「輝血さん、懍さん、お疲れ様です。回収完了しました。」
一人の男は胸ポケットから黒いポーチを出し頭を下げ差し出す。
「サーンキュ!どれどれ、幾ら入っているのかなぁ?」
緩いパーマがかった白髪の男がポーチを受け取り中を確認する。
「うっわ、分厚いねぇ。」
ニコニコと笑いながら中身を取り出し後ろに座る黒髪の男に見せる。
黒髪の男は長い前髪の隙間からソレを見るとニヤリと笑った。
「150、位か?」
黒髪の男は立ち上がると白髪の男の肩に顔を置き舌舐りをした。
「はい。150万丁度です」
頭を下げていた男二人は顔を上げ姿勢を正す。
「ふぅん。こんな大金、あっさり渡してきたんだ?」
黒髪の男は生気のない目で二人をジッと見た。
「は、はい。ですが…その…」
二人は目を合わせる。
「なぁに?何かあったの?」
白髪の男はポーチの中へ金を終い黒髪の男に渡しながら尋ねる。
「実は帰り際に……」
二人は帰り際に男に言われた言葉を伝えた。
話を聞いた黒髪と白髪の男は不敵な笑みを浮かべる。
「行くぞ」
黒髪の男がボソリと呟くと周りにいた男達が歓喜する。
男達は再び暗闇の中へと姿を消した。
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