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「おい。先程も電話で伝えたがゴミが現れたんだ。私の金を奪ったゴミクズだ。
また現れた時の為にお前たちを呼んだのに、何を呑気に車内で寛いでいる?」
男は助手席を軽く蹴る。
「店前まで迎えに来て車のドアを開けるのもお前達の仕事だぞ。報酬を下げてもいいんだぞ。」
男はふんぞり返りながら女の髪を撫でる。
「こんなに美しい女性もいるんだ。もしもの時にお前達がいなければ呼んだ意味が無いだろう!」
男は女の胸元へと手を伸ばすが、その手は女に払われた。
「お預けか。ふふ、まあいい。夜は長いからな。」
男はニタニタと笑う。
車は明るい道を走っていたが、暫くすると薄暗いガタガタ道へと差し掛かる。
女にくっつき、鼻息を荒くしていた男は窓の外を見て眉間に皺を寄せた。
「おい。ホテルへ行くのにこんな道は通らないだろう?どこへ向かっているんだこの能無し!」
男が声を荒らげると、助手席に座る男が「クククッ」と笑った。
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