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輝血を支えられる人間になりたい。
その想いが強まる。
「答えは出たかい?」
キョウの問い掛けに懍は頷く。
「ほー?んで、どうすんの?」
颯の耳から手を離し、懍を見るレイ。
耳を擦りながら答えを待つ颯。
「俺、強くなりたいです。喧嘩がとかじゃなくて、気持ち的に。だから、一回かーくんと離れてみようと思います。」
懍の言葉を聞いたキョウは黙って椅子に腰をかけ、レイはニコニコと笑った。
「おー、ほんならウチこいや。嫌でも強なるわ。」
「はい。お世話になります。よろしくお願いします。」
「あいよー、んなら颯。お前が面倒みたってや。」
「俺ですか?」
「他に颯って名前のやつがここにおるんか?」
「居ないですけど。…え、面倒見るんですか?」
「せや。あとなんか一緒についてきたアイツらもお前が面倒見ろ。」
レイは龍の屋敷から一緒に出てきた輝血と懍の仲間を指さす。
「流石に多すぎますよ。一人では見きれないですよ。」
青ざめた顔をしながら颯がレイに分けてくれと頼むと、レイは楽しそうに笑った。
「分かった分かった。ほんならお前は懍だけでええわ。その代わりしっかり教え込めよ。」
「了解です、有難うございます」
「おー。」
レイはキョウの隣へ移動すると、これからのことを話し始める。
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