33人が本棚に入れています
本棚に追加
/781ページ
男に気付いたキョウの目の色が変わる。
赤城は男を突き飛ばし、男はキョウの前に倒れ込む。
男が顔を上げると、ジッと自分を見つめるキョウと目が合った。
「自分が何をしたか分かっているのか?」
キョウの声色が変わる。
男は慌てて土下座をして許しを乞う。
輝血は男に見覚えがあった。
数日前まで東側で共に過ごしていた男、キョウの仲間だった。
東西関係無く、裏切り行為は御法度とされている。
キョウが仲間に対して怒る時は、裏切ったか、または取り返しのつかないミスを犯した時だろう。
キョウが怒った時に感じ取れる重苦しいこの圧は、輝血に少しの頭痛を与える。
不快な頭痛を気にしないように、輝血はキョウと男のやり取りを眺めた。
最初のコメントを投稿しよう!