same same

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物語のインビクタス(不公平、不当)な状況において、厚誼 (こうぎ。情があつい交際。深い親しみの気持ち) の友である主人公たちの負けっぷり(?)はなかなか粋である。 1960年代の若者の 「ドロップアウト世代」に対して 彼ら三人は 「クーリングアウト世代」 とでもいうべきか…。 クーリングアウトとは社会学用語で 「大望の冷却(フリーズドライ)」 「大志(アンビション)の保全」 のために今の舞台を一旦降りることだ。 (拙作「シリウスの伴星」にては「メタスタビリティ(準安定性)を蹴れ」と表現しているものと似ている。というかsame same ) 物語は、自然な流れの中で、無理なく全てのフラグ(伏線。アンダープロット)を回収していて、作家の構成力の確かさを伺わせる。 各章のエピソードや、キャラクター、シーンの描写は端的、平明で、作家の視座が解像力に優れていると感ずるのは、対立する人物をも明快に描きあげ、書き分けているところだ。 ヒール役もそれなりのカッコよさを授けられている。 代筆者の〈お気に〉は「団長」で、映画 『ストリート オブ ファイヤー』の ウィレム・デフォーを彷彿とさせる。(ツルハシこそ振り回さないけれど…) デフォーは『プラトーン』のエリアス軍曹で脚光を浴びたが 『ミシシッピー バーニング』の 若きFBI捜査官は、メガネフェチのBLファンが悲鳴をあげるだろう程のイケメンぶりだった。 (──という訳で、分かるヒトには分かってしまうが、彼は拙作「リフレクト」と「プライア」の登場人物、 鬼 十真 (きさらぎ とうま) のモデルでもあります) 今はデフォー主演の『ゴッホ』が観たい。(邦画『HOKUSAI』も観たいです)
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