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アルマーニの部屋 ジョルジオ・アルマーニ。 1936年、6月25日生まれ。 イタリアの服飾デザイナー。 1961年、ニノ・セルッティの 紳士服デザインでデビュー。 百貨店で働く。 高級素材を用いたソフトなテーラード・ジャケットを中心に、80年代のミラノ‐コレクションをリードした。 紳士服は、ゆったりめのソフトスーツを特徴とする。 1975年に独立。 婦人服デザインに進出。 落ち着いて、気品あふれる作品は、人気を博し、世界を席巻(せっけん)した。 ── 先日 TVの情報番組にて、建築関係の話題が取り上げられて、世界の著名人の部屋が紹介された。 例えば… エルビス・プレスリーの、 天井が鏡張りのゴージャスな部屋。 デビッド・ボウイの、 まるでアンリ・ルソーの絵画のような壁の部屋。 ジャンニ・ヴェルサーチの、 ギリシャ神話の演劇舞台を彷彿とさせる部屋。 そして ジョルジオ・アルマーニの部屋… 華麗で繊細? の予想は、美事にくつがえされた! 鎌倉? はたまた安土桃山時代の城の間(ま)のような… 黒味を帯びた板張りの床に、焦げ茶の柱をフレームとした白壁。 威風堂々 栓(ま)ぐることなき、 直線の豪放! 驍勇(ぎょうゆう)にして 逸宕(いっとう)! 洒々落々(しゃしゃらくらく)にして シンプル! これ、 日本家屋だ! 実に、ジョルジオ・アルマーニは 親日家なのだという。 先日 丸いち日、ニヤニヤが止まらなかった。 自作に何度も名を借りて(?)いるデザイナーでもあるのだから… キャラクターたちの纏(まと)う スーツ、ドレス、ジーンズから… 白い花をつける草木のみが植栽を許された、館の庭の造形に至るまで。 ところで、 筆者の、母方の祖父は、 武術、黒帯の有段者にして、紳士服のテーラーだった。 ゆったりめに作るスーツの着心地がよいと、顧客に評判だったという。 祖母の実家は植栽業で、祖父母ふたりの間の長子の誕生日が ── 6月25日。 祖父の仕立てたスーツが似合う、 美丈夫であった父の月命日が、偶然 25日であった。 ──そして、今日 スーツの前身は軍服だっけか… と思いつつ、 8月15日も近いので、普段であれば我ながら、疑義(ぎぎ)を生ずる行為であるが、今日 (広島に原爆が投下された8月6日) ばかりは、イタリアの小旗と共に、日の丸の小旗を振ってもいい…と思った。 そういえば 終戦直前に、イタリアが日本に宣戦布告した事実は、若き邦人社会学者の著書にて知ったが (このあたりの顛末を、実話をもとにして、コメディリリーフの効いたヒューマン TVドラマで、ニノこと、二宮和也さんが、主人公を好演している) 戦後、若かりし父が、イタリア大使館から招待を受けた理由(わけ)を生前に本人から詳しく聴いておけばよかったと思う。(ML作が 一編著(あらわ)せたかもしれない) ──この夜TVで 昭和20年、ヒロシマの中学生が、 8月6日の朝、爆心地近くに集められ、軍命令での勤労奉仕中、被爆。 6000名もの子どもたちが、 惨い状況の中で命を失った事実を知った。 子どもを探しに市内に入った親や、 生き残った子どもたちも、その後の深いトラウマと、放射能による後遺症に苦しみ、早くに亡くなったり、病を併発したという。 今日、77年の歳月を経て、 核兵器廃絶のアクションを促す、 平和のためのシンボルとしての 日の丸の旗ならば… 振ろうか と思う。 (2022.8.6)
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