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不要不急の時間渡航
2015年東京
真っ白な月が輝く空の下、色とりどりに光る看板が立ち並ぶ繁華街。
その中でもひときわ目をひく高層ビルの最上階付近に存在するバー「リープ」にて
その日そのバーは貸し切りであった。
丁寧に磨かれた艶めくカウンターには、洋酒から日本酒まで古今東西の高級品がそろえられていた。
店内にいるのはこれまた高級なスーツに身を包み談笑している企業の重役数名だ。
彼らは皆、赤ら顔で呂律の回らない声で話している。
一人を除いて。
その一人は、身体に一本芯が入ったように堂々と立ち、周りの重役たちと談笑しながらも、その目は常に鋭く輝き、この場において一切気を抜かず考えを巡らしているようであった。
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