不要不急の時間渡航

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数年前、長谷川が大学生だったころ、ある日突然5年後から来たという人物が現れた。彼は長谷川の2年下の後輩である斎藤だと名乗り、未来の情報を渡す代わりに過去の自分を助けてほしいと伝えてきた。 長谷川は考えた末、それを了承した。その年に起こる重要な出来事、株価・経済の変動、斎藤の不幸をことごとく予言した。長谷川はその情報を元にうまく立ち回り、何もかもがうまくいったのだ。 その翌年、再び現れた未来の斎藤は、就職活動についての対策を丁寧に説明し、長谷川は実力以上の企業に就職することが叶った。そして2年後、長谷川の協力により斎藤も大企業に就職した。 それからもこの調子で長谷川(と長谷川に助けられた斎藤)の人生はトントン拍子に進んでいった。5年後の未来の把握により、起業、投資、商品開発、すべてにおいて 5年後の情報を元に的確に行われた。わずか数年で、長谷川の企業は大企業へと成長し、斎藤もその企業に重役として取り立てられ、二人の人生は順風満帆となったのだった。
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