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神として、多少なりとも強い力を持った故だろうか。 信仰を失った神は、持った力を腐らせるように、悪い神へと堕ちていく。そうして、生きているものに散々害を与えて、与えに与えて、その暴れる体すら維持できなくなるか、あるいは誰かに倒されて、やっと終わるのだ。 無論、堕ちる前に、穏やかに消える方法もある。 しかし、神というのは、信じる人のために務める存在だから、自分が存在している、つまり信じる人がいるうちに、自ら消滅を選ぶというのは、なかなかに「ありえない」行為だった。 だからこそ、みんな、ギリギリまで神で在ろうとした挙句、ふとした拍子に一線を超えて、堕ちてしまう。
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