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僕が話しているのは、僕という存在についての説明だ。
僕は、大きく育ったクスノキが、人間たちに崇められて生まれたものだ。当時の人間たちは、守護神、土地神として、僕を「大樹の神」と呼んでいた。
もっとも今では、そう呼ぶ者も、ほぼいない。
崇められていた樹自体は、今でも聳えているけれど、何せ山奥に生えている。昔は通り道だった此処も、今では、他所に通りやすい道が作られて、すっかり放っておかれているのだ。
忘れられるのは当然だった。
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