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「やあ。」 とりあえず挨拶を返すと、鳥の神は、いっそう大きく鳴く。 「やあ、じゃないわよ! もう!」 つい、と外方(そっぽ)を向く仕草さえ、鳥を連想させる。 彼女は、実在の鳥が神格化したものではない。この地方に伝わる民話、崖の上を舞う(とび)の物語が、人々に愛され生まれた神だ。 だが、架空の鳥が元となったためか、ある種、理想的というか、現実の鳥よりも鳥らしいというか、誰もが思い描く「鳥らしさ」を持っていた。
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