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桜の木の下
「零…どうして…俺…まだお前と…」
膝から崩れ落ち、先程から我慢していた涙が堪えきれず涙を流していた。
「うぅ…俺…どうしたら……」
「和也」
「ッ!零…零なのか!」
そこには先程までいなかった零が桜の木の下で座っている。和也は困惑し頭が真っ白になっていた。
「どこ行ってたんだよ、ほら帰ろうぜ お父さんもお母さんも待ってるんだぜ?ほら俺の手につかまっ…て」
「ごめんね、和也 私はここから離れられない…なぜなら私はもうここにはいないから でも安心して?だってあの時約束したでしょ?ここでずっと待ってるって。」
「そ、そんなことない…だって俺の目には零が!お前がいるんだよ!なのにここにはいないってどうゆう事だよ!俺わかんねぇよ!」
「和也がわからないのも無理ないよね、ごめんね?でも、私はもうこの世にはいないの。私は…今和也が見えているのはおばけなんだよ? 和也霊感あるんだね!すごいじゃん笑……なーんてふざけてる場合じゃないか。」
「なぁ…零 どうしてお前は亡くなったんだ。零のお父さん達は自殺って言ってる、でもニュースには亡くなった原因は不明。どっちなんだ?」
「ん〜、それは今は教えられないかな…ごめんね でも和也が1人でその答えにたどり着けるようにヒントをあげる。私がいなくなったら私の座っていた場所を見てね?はい!じゃあ目をつぶってくださーい!」
「ちょっ、ちょっと待てよ!いくらなんでもそれははや…っ」
突然風が吹き出し桜の花びらが和也の視界を遮る。
目を開け気づいた頃には先程まで前にいた零の姿がいない。
「あんまりだ…くそっくそっ…」
膝から崩れ落ち、下を向いていると。先程零が座っていた場所に1枚の紙が落ちていた。
「これ…さっき零が言っていた紙…何が書いてあるんだろう…ッ!!!こ、これは!!」
紙の中を見てみるとそこには驚くべきことが書かれていた。
(彼女は自殺ではない…知りたければ咲間駅まで来い)
和也は考えるより先に…体が動いていた。
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